良いサッカースタジアムの条件とは？ サポーターが作る雰囲気？ 収容人数？ 最新設備？またはスタジアムの歴史？これら全ての組み合わせかもしれません。しかし実際は自分が応援しているチームのホームスタジアムであることが重要なポイントになるでしょう。
上に挙げた条件を基に、ヨーロッパのベスト・サッカースタジアムをピックアップしてみました。
30位 ロンドン、スタンフォード・ブリッジ
ホームチーム: チェルシー
収容人数: 41,663人
1876年、陸上競技場として建てられ、1905年に設立したチェルシーにより使われています。ザ・ブリッジは改修を続け、現在はヨーロッパで最もすばらしいスタジアムの1つとなっています。ブルーズは収容人数を60,000人に増やすために、これから数年間かけた次の改修を決定しています。
29位 モスクワ、ルジニキ・スタジアム
ホームチーム: なし
収容人数: 81,000人
1950年代に建てられたルジニキ・スタジアムは1980年のオリンピックメイン会場に、2008にはUEFAチャンピオンズリーグの決勝戦の会場になりました。しかし最も有名なのは、1982年のスパルタク・モスクワのUEFAカップの試合で66人が将棋倒しに巻き込まれ死亡した大惨事です。現在このスタジアムは、2018年FIFAワールドカップの決勝会場としての準備のため大改修中です。現在収容人数は78,000人から81,000人に増え、アリーナの屋根部分は巨大ビデオスクリーンとして使うことができます。
28位 モナコ、スタッド・ルイ・ドゥ
ホームチーム: モナコ
収容人数: 18,523人
スタッド・ルイ・ドゥは比較的コンパクトなスタジアムですが、すばらしい立地条件によりヨーロッパ最高のサッカースタジアムの1つとなっています。モナコでは毎週満員になることはないものの、非常に賑やかな雰囲気を作り出しています。スタジアム周辺のスペースが極めて限られているため、駐車場を含め、施設の大部分は地下に設置されています。
27位 ストックホルム、フレンズ・アレーナ
ホームチーム: AIKソルナ
収容人数: 54,329人
フレンズ・アレーナは2012年にオープンし、1958年のFIFAワールドカップの決勝戦会場となったラスンダ・スタジアムに代わりました。開閉式の屋根を誇り、昨シーズンはUEFAヨーロッパリーグでのマンチェスター・ユーナイテッド優勝の地となりました。
26位 リスボン、エスタディオ・ダ・ルス
ホームチーム: SLベンフィカ
収容人数: 64,642人
エスタディオ・ダ・ルスは2004年の欧州選手権決勝、2014年のUEFAチャンピオンズリーグ決勝の会場として用いられました。近代的なスタジアムですが、1980年代に、ヨーロッパ最大のスタジアムとして常に100,000人以上のファンを集めた、リスボンの初代の光のスタジアムの雰囲気を再現することはできませんでした。
25位 ロッテルダム、デ・カイプ
ホームチーム: フェイエノールト
収容人数: 51,117人
「ザ・タブ」の愛称も持つデ・カイプは1937年に建てられ、1994年に大規模な改修がおこなわれました。10度にわたるUEFAチャンピオンズリーグ/カップの決勝と、2000年のUEFA欧州選手権の決勝会場となりました。
24位 ロンドン、ロンドン・スタジアム
ホームチーム: ウェストハム・ユナイテッド
収容人数: 57,000人
ウェストハムの新しいスタジアムはサッカー向けではありませでしたが、大変優れた建築を誇っています。ロンドン・オリンピック後に改築工事がおこなわれ、陸上競技用トラックの上に取り外し可能な座席が設置されました。しかし、ファンから、ピッチでの戦いからの距離が遠過ぎるとの批判が生じました。それでも老朽化が進んでいたアップトン・パークからはアップグレードしたといってよいでしょう。
23位 コペンハーゲン、パルケン
ホームチーム: FCコペンハーゲン
収容人数: 38,065人
パルケンは1990年代の初めに建てられ、FCコペンハーゲンとデンマーク代表チームのホームスタジアムとなっています。4つの独立したスタンドで構成されており、れっきとしたサッカースタジアムの面持ちです。アーセナルが2度試合をしており、1994年のUEFAカップウィナーズカップで優勝、2000年のUEFAカップでは決勝で敗れています。
22位 ニューカッスル、 セント・ジェームズ・パーク
ホームチーム: ニューカッスル・ユナイテッド
収容人数: 52,354人
ニューカッスルのスタジアムは1990年代に再開発され、その結果、メインスタンドとリーズ側スタンドがもう片方の2つのスタンドに向かってそそり立つ、傾いた見かけのスタジアムとなりました。しかし、トゥーン・アーミーが作り出す賑やかな雰囲気はこのスタジアムならではで、イングランドの他のどこにも類を見ないものです。近年チームの調子がよくありませんが、それでもファンはスタジアムに足を運びチームを応援しています。
21位 リヨン、パルク・オリンピック・リヨン
ホームチーム: オリンピック・リヨン
収容人数: 59,186人
リヨンの新しいスタジアムは2016年の１月にオープンし、2016年のUEFA欧州選手権の準決勝とその他の試合の会場となりました。来シーズンのUEFAヨーロッパリーグ決勝戦と2019年FIFA女子ワールドカップ決勝戦の会場になることが決まっています。
20位 イスタンブール、 シュクリュ・サラジオウル・スタジアム
ホームチーム: フェネルバフチェ
収容人数: 50,509人
フェネルバフチェのホームスタジアムは、大規模な改修が2006年に完了し、伝統的なスタジアムの雰囲気を保ちながらも収容人数を増やすことに成功しました。ガラタサライのチュルク・テレコム・アレナやアタテュルクと違い、シュクリュ・サラジオウルは街の中心部に位置しています。
19位 リバプール、グディソン・パーク
ホームチーム: エヴァートン
収容人数: 40,157人
グディソン・パークはイングランドで最も旧式のスタジアムの1つですが、スタジアムのキャラクターがそれを補う以上のものとなっています。テラスハウスが並ぶ通りにあり、メインスタンドの角とグウラディス通りの間には教会があります。エヴァートンはこのスタジアムから近代的なスタジアムに移ることを強く希望していますが、1892年から使ってきたホームスタジアムを去るとなったら、大きな悲しみを呼ぶことでしょう。
18位 ベルリン、 オリンピアシュタディオン
ホームチーム: ヘルタ・ベルリン
収容人数: 74,475人
サッカースタジアムの中に陸上競技用トラックがあるのは常によくないこととされていますが、ベルリンのオリンピアシュタディオンにはあります。開放型のスタジアムからは外の公園内の鐘楼が見え、1936年のオリンピックの聖火が置かれた場所の印もあります。スタジアムは改修され、決勝戦の会場となった2006年のFIFA ワールドカップのために新しい屋根が設置されました。2015年のUEFAチャンピオンズリーグでバルセロナが優勝したスタジアムでもあります。
17位 ロンドン、エミレーツ・スタジアム
ホームチーム: アーセナル
収容人数: 60,432人
ハイベリーでは雰囲気も試合内容もすばらしいものでしたが、エミレーツスタジアムは近代サッカースタジアムの基準となりました。古いスタジアムより収容人数を増やしたことでファンは快適に観戦できるようになりました。また、ハイべリーから道路を渡っただけという立地で、ファンも遠くまで移動する必要はありませんでした。
16位 ゲルゼンキルヒェン、フェルティンス・アレーナ
ホームチーム: シャルケ
収容人数: 62,271人
2001年にオープンしたシャルケの新しいスタジアムは、前のホームスタジアムである屋根なし円形競技場のパルクシュタディオンに大幅な改善が施されたものです。フェルティンス・アレーナは新しい段丘構造、安全な開閉式屋根と4時間で外へスライドさせられるピッチを誇っています。これにより、芝は自然に育ち、スタジアムがコンサート会場として使われるときは、芝をダメージから守ることもできます。
15位 セルティック・パーク、グラスゴー
ホームチーム: セルティック
収容人数: 60,411人
セルティック・パークは1990年代に、段丘構造の楕円形の競技場から巨大な現在のスタジアムに改築されました。唯一以前のデザインが残されたメインスタンドは、他の新しい3つのスタンドに比べて小さく見えます。また、セルティックがヨーロッパ内で戦っているときのスタジアムの雰囲気も抜群です。
14位 トリノ、 ユヴェントス・スタジアム
ホームチーム: ユヴェントス
収容人数: 41,507人
ユヴェントスは、1990年のFIFAワールドカップ大会後にスタディオ・デッレ・アルピに移りましたが、未使用の陸上競技用トラックがピッチとファンを隔てた構造はサッカー向きではありませんでした。その後2009年に取り壊され、ユヴェントス・スタジアムが建てられました。収容人数が減りましたが、各段に良い雰囲気を作り出しました。2004年のUEFAヨーロッパリーグの決勝会場として使われたスタジオは、再びヨーロッパサッカー界の強豪チームとなったユヴェントスの歩みに貢献しています。
13位 カーディフ、 ミレニアム・スタジアム
ホームチーム: なし
収容人数: 74,500人
ミレニアム・スタジアムは1999年に完成し、主としてウェールズのラグビーの本拠地として知られています。しかし、ウェンブリー・スタジアムが改修工事中の際には、6度に渡りFAカップの決勝戦会場として使われた他、2017年のUEFAチャンピオンズリーグの決勝戦もおこなわれました。
12位 ミュンヘン、アリアンツ・アレーナ
ホームチーム: バイエルン・ミュンヘン、TSV1860ミュンヘン
収容人数: 75,000人
アリアンツ・アレーナは、遠くからでも見える夜の外観ライトアップにより、近代的な21世紀のサッカースタジアムの象徴となっています。陸上競技用トラックの問題を抱えていたオリンピックスタジアムから移ってきたバイエルンにとって、この新しいスタジアムは大きな改善点となりました。しかし、外側がライトアップされていないときは、内側がグレーのさえないスタジアムに様変わりしてしまいます。
11位 ケルン、ラインエネルギーシュタディオン
ホームチーム: ケルン
収容人数: 49,968人
ケルンのスタジアムは2006年のFIFAワールドカップに合わせて改築され、陸上競技用トラックの問題も抱えていた老朽化したスタジアムに取って代わりました。
10位 マンチェスター、オールド・トラッフォード
ホームチーム: マンチェスター・ユナイテッド
収容人数: 75,643人
イングランドのクラブサッカーの中で最も大きなスタジアムを誇るオールド・トラッフォードは、1909年に建設されて以来、大がかりな改修をおこなってきました。当初の収容人数は44,000人でしたが、2007年の工事により76,000人を超えました。鉄道の線路が隣接しているため、サウススタンドはスタジアム内で唯一の一層構造となっています。
9位 グラスゴー、アイブロックス
ホームチーム: レンジャーズ
収容人数: 50,817人
アイブロックスはかつて収容人数118,000人を誇っていましたが、1971年に66人の命が犠牲となった惨事の後、縮小を強いられました。古いスタジアムのまま残り、指定建造物となったメインスタンドは、1990年に新しい屋根と座席層の設置により近代化されました。
8位 バレンシア、メスタージャ
ホームチーム: バレンシア
収容人数: 49,500人
メスタージャは1923年にオープンしましたが、バレンシアは2007年に新しいスタジアムに移ることを計画していました。しかし財政問題によりまだ完成していません。現在のスタジアムの満員時のすばらしい光景を見ると、新しいスタジアムを立てる意味はあまり無いようにも思えます。
7位 リバプール、アンフィールド
ホームチーム: リバプール
収容人数: 54,074人
アンフィールドはオールド・トラッフォードほど大きくありませんが、独自の雰囲気を持っており、ヨーロッパの多くのクラブの羨望の的となっています。ザ・コップ側は、特にチームが勝っているときの騒々しい盛り上がりで知られています。
6位 マルセイユ、スタッド・ヴェロドローム
ホームチーム: マルセイユ
収容人数: 67,394人
マルセイユの新しい本拠地は優れた建築のスタジアムで、UEFA欧州選手権に合わせて改修がおこなわれました。67,000人を収容し、見事な屋根を有しています。
5位 バルセロナ、カンプ・ノウ
ホームチーム: バルセロナ
収容人数: 99,354人
カンプ・ノウはヨーロッパ最大のサッカースタジアムで、この10年にわたりヨーロッパ最強のサッカーチームの本拠地でもあります。1982年のFIFAワールドカップのために拡大され、122,000人のファンを収容していた時期もありましたが、その後立ち見エリアが撤去されました。これから数年で、スタジアムの屋根の無い部分に屋根を加え、クラブの評判相応に、完全な近代化をおこなうことを計画しています。
4位 マドリード、 サンティアゴ・ベルナベウ
ホームチーム: レアル・マドリード
収容人数: 81,044人
ベルナベウはカンプ・ノウほどのサイズはありませんが、外観が大変美しいスタジアムで、1982年のFIFAワールドカップから収容人数を増やしました。バルセロナのスタジアムと違い、全体に屋根が備わっています。
3位 ロンドン、 ウェンブリー
ホームチーム: なし
収容人数: 90,000人
古いウェンブリーは世界的に象徴的なスタジアムでしたが、コンディション不良により2000年に閉鎖されてしまいました。しかし、新しいウェンブリーはヨーロッパ最大の近代的なスタジアムとなりました。スタジアムのアーチは遠くからでも見ることができます。UEFAチャンピオンズリーグの決勝戦に2回用いられ、来シーズンにはトッテナムの本拠地となります。また、2020年のUEFA欧州選手権の決勝戦が開催されることが決まっています。
2位 ミラノ、サン・シーロ
ホームチーム: ACミラン、インテル
収容人数: 80,018人
サン・シーロは過去にすばらしいサッカーの会場となってきましたが、老朽化が始まり最新のスタジアムが持つすべてのメリットは有していません。それでも独自の屋根を持つ、今なお特別なスタジアムです。UEFAチャンピオンズリーグの決勝戦を含め、今までに4回UEFAチャンピオンズカップの決勝戦の会場となりました。
1位 ドルトムント、ヴェストファーレンシュタディオン
ホームチーム: ボルシア・ドルトムント
収容人数: 81,360人
ヴェストファーレンシュタディオンは当初は取り立てるほどのこともないスタジアムでしたが、1997年のドルトムントのUEFAチャンピオンズリーグ優勝以来、スタジアムは拡張され、収容人数は81,360まで増えました。「イエロー・ウォール」として知られるサウススタンドも作られ、ヨーロッパ最大である24,454人収容のテラスとなり、クラブの近代的な印象も維持しつつ、ドルトムントのホームゲームのすばらしい雰囲気作りに貢献しています。
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